前々回の日記(http://monstling.diarynote.jp/201409281525488477/)で、《灰雲のフェニックス》がコントロールを奪われた状態で死亡した場合、どちらのコントロール下で戦場に戻るかが問題になったことを書きました。

その時のジャッジの裁定は、《灰雲のフェニックス》の戦場に戻る能力はオーナーの墓地で誘発するためオーナーのコントロール下で戦場に戻る、というものでした。
どうやらこの裁定は間違っていたっぽいです(実はトーナメント中にも「あれ?」と思っていたのですが……)。

多分、墓地に落ちた時に誘発する能力のコントローラーは、最後にこれをコントロールしていたプレーヤーであり、つまり《灰雲のフェニックス》はオーナーではなく最後にこれをコントロールしていたプレーヤーのコントロール下で戦場に戻る、というのが正しいです。

MTG wiki 死亡誘発
http://mtgwiki.com/wiki/%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E8%AA%98%E7%99%BA

死亡誘発のコントローラーは、クリーチャーが死亡したときにクリーチャーをコントロールしていたプレイヤーになる。オーナーに限らない。


MTG wiki 《灰雲のフェニックス》
http://mtgwiki.com/wiki/%E7%81%B0%E9%9B%B2%E3%81%AE%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/Ashcloud_Phoenix
コントローラーとオーナーが異なる場合、灰雲のフェニックスは死亡した際のコントローラーのコントロール下でオーナーの墓地から裏向きで戦場に戻る。


《灰雲のフェニックス》を使う際にはご注意下さい。

問1:Aが《無限への突入》を唱え、対応してBが《概念泥棒》を唱えた。このまま両者の呪文が解決された場合、BはAかB、どちらのライブラリの枚数分カードを引くことになるだろうか?

回答1:BはAのライブラリの枚数分のカードを引く。
《概念泥棒》は、Aが引こうとする枚数を置換し、Bのドローに変えるため。つまりこの場合、Bのライブラリ枚数がAより少なければ、Bはライブラリアウトで敗北することになる。


問2-1:《エルフの神秘家》を追放した《放逐する僧侶》がいる。この《放逐する僧侶》に《次元のほころび》が唱えられてフェイズ・アウトしたが、《エルフの神秘家》は戦場に戻るだろうか?

回答2-1:戻らない。
《放逐する僧侶》の効果は、それが戦場を離れるまで継続する。そしてフェイズ・アウトしたクリーチャーは戦場を離れたわけではないので、《エルフの神秘家》は追放されたままである。


問2-2:《ボロスの反攻者》のコントロールを奪った《オリヴィア・ヴォルダーレン》がいる。この《オリヴィア・ヴォルダーレン》に《次元のほころび》が唱えられてフェイズ・アウトしたが、《ボロスの反攻者》のコントロールは戻るだろうか?

回答2-2:戻る。
《オリヴィア・ヴォルダーレン》のコントロール奪取能力は、それ自身をコントロールし続けている限り続く継続的効果である。そして、クリーチャーがフェイズ・アウトするとこの能力はそのクリーチャーを追跡できなくなり、効果は終了する。(702.25e)


問2-3:Aは《エレボスの鞭》の能力を起動し、《虹のイフリート》を戦場に戻した。そしてAは《エレボスの鞭》の追放効果を回避しようと、《虹のイフリート》の能力を起動してフェイズ・アウトさせようとした。Aの思惑は上手く行くだろうか?

回答2-3:上手く行く。
まず、フェイズ・アウトすることが置換されて《虹のイフリート》が追放されないかという問題があるが、回答2-1で述べたようにフェイズ・アウトするクリーチャーは戦場を離れるわけではないので、フェイズ・アウトはそのまま実行される。次に、ターン終了時に《虹のイフリート》が追放されないかという問題があるが、フェイズ・アウトしたクリーチャーに《エレボスの鞭》の「次の終了ステップの開始時に、それを追放する」という遅延誘発型能力は働かないため、ここでも《虹のイフリート》は追放されない。


次回をお楽しみに?
問1:Aが《無限への突入》を唱え、対応してBが《概念泥棒》を唱えた。このまま両者の呪文が解決された場合、BはAかB、どちらのライブラリの枚数分カードを引くことになるだろうか?

問2-1:《エルフの神秘家》を追放した《放逐する僧侶》がいる。この《放逐する僧侶》に《次元のほころび》が唱えられてフェイズ・アウトしたが、《エルフの神秘家》は戦場に戻るだろうか?

問2-2:《ボロスの反攻者》のコントロールを奪った《オリヴィア・ヴォルダーレン》がいる。この《オリヴィア・ヴォルダーレン》に《次元のほころび》が唱えられてフェイズ・アウトしたが、《ボロスの反攻者》のコントロールは戻るだろうか?

問2-3:Aは《エレボスの鞭》の能力を起動し、《虹のイフリート》を戦場に戻した。そしてAは《エレボスの鞭》の追放効果を回避しようと、《虹のイフリート》の能力を起動してフェイズ・アウトさせようとした。Aの思惑は上手く行くだろうか?


解答は、前回と同じく一週間程度で公開する予定です。
では解答です。

問1:Aは《平地》を1枚追放した《解放された者、カーン》をコントロールしている。Aはこの《カーン》の3番目の能力を起動し、《ブライトハースの指輪》でその能力をコピーした。どうなるだろうか?
解答1:まずコピー分の能力が解決され、新しいゲームを始めて《平地》を戦場に出す。コピー元の能力はゲームの終了とともにスタックから取り除かれ、何もしない。


問2-1:Aが《精神腐敗》をBに唱え、Bは《黒騎士》と《冥界への呼び声》を捨てた。ここでBはこの捨てた《冥界への呼び声》をマッドネスで唱えて今捨てた《黒騎士》を手札に戻そうとした。このようなプレイは可能だろうか?
解答2-1:可能。
マッドネスは、捨てた時に墓地に置く代わりに追放する常在型能力と、追放された時にマッドネスコストを払って唱えるか墓地に置くかを選ぶ誘発型能力からなる。《冥界への呼び声》をマッドネスで唱える段階では同時に捨てた《黒騎士》は既に墓地にあり、《冥界への呼び声》で手札に戻すことができる。


問2-2:Aが《ヴェールのリリアナ》の1番目の能力を起動し、Aが《癇しゃく》を、Bが《堂々巡り》を捨てた。そしてAはこの捨てた《癇しゃく》をマッドネスでプレイしようとし、Bはこの捨てた《堂々巡り》をマッドネスでプレイしてそれを打ち消そうとした。このようなプレイは可能だろうか?
解答2-2:不可能。
上で述べたように、マッドネスは、捨てた時に墓地に置く代わりに追放する常在型能力と、追放された時にマッドネスコストを払って唱えるか墓地に置くかを選ぶ誘発型能力からなる。この問題の場合、APNAP順によりAの《癇しゃく》のマッドネスがまず誘発し、Bの《堂々巡り》のマッドネスが次に誘発する。つまり《堂々巡り》を唱えるタイミングが先に来るが、その段階では《癇しゃく》は唱えられていないので《堂々巡り》の対象にすることはできず、《堂々巡り》はそのまま墓地に置かなければならない。

次回の出題は近日中に行う予定です。
これから、時々マジックのルールのクイズを出していきたいと思います。
マジックのルールに興味のある方は挑戦してみて下さい。

なお、私は認定ジャッジではありません。
出来るだけ自分で調べたり、正式なジャッジの方に確認してから出題はしますが、もし解答に間違いがあったら申し訳ありません。その時はご自身のDN等かコメント欄にてご指摘を頂ければ幸いです。


問1:Aは《平地》を1枚追放した《解放された者、カーン》をコントロールしている。Aはこの《カーン》の3番目の能力を起動し、《ブライトハースの指輪》でその能力をコピーした。どうなるだろうか?

問2-1:Aが《精神腐敗》をBに唱え、Bは《黒騎士》と《冥界への呼び声》を捨てた。ここでBはこの捨てた《冥界への呼び声》をマッドネスで唱えて今捨てた《黒騎士》を手札に戻そうとした。このようなプレイは可能だろうか?

問2-2:Aが《ヴェールのリリアナ》の1番目の能力を起動し、Aが《癇しゃく》を、Bが《堂々巡り》を捨てた。ここでAはこの捨てた《癇しゃく》をマッドネスでプレイしようとし、Bはこの捨てた《堂々巡り》をマッドネスでプレイしてそれを打ち消そうとした。このようなプレイは可能だろうか?


解答は、出題から一週間程度で公開する予定です。

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索